森の露天風呂:「アウトドアで行こう」

森の暮らし, エネルギー, エコ・環境, 執筆・メディア掲載, 旧 開拓生活研究所

北海道新聞にコラム「アウトドアで行こう」掲載

森の露天風呂:空を眺めリラックス

北海道新聞釧路版のコラム「アウトドアで行こう」の連載6回目。

森の中の露天風呂、薪でお湯を沸かし景色を見ながらリラックス。

森の露天風呂:空を眺めリラックス

阿寒の森に建つわが家の風呂は、湯船と釜をただ地面に置いてあるだけで屋根も壁もない露天風呂だ。
燃料には薪を使っている。ストーブには細すぎる木や森の中に落ちている枝を焚くので無駄が無く、環境にも優しい。
釜は阿寒に住む知人が何処からか探し出して持ってきてくれた。薪を使えるタイプは最近では入手困難なので、とても重宝している。
夏の夕方、ここで薪割りの汗を流す気分は言葉に言い尽くせない。ビール片手にお湯に浸かりながら、茜色の空が暮れていくのをぼんやりと眺めていると、心からリラックスできる。
薪で焚いた風呂のお湯は「柔らかい」と聞いた事があるが、確かに浸かった感じはまろやかで、湯冷めもしにくい気がする。山から引いてきた湧き水を使っているせいのあるかもしれないが、ちょっと温泉に近い感じだ。
このように気持ちの良い露天風呂なのだが、雪の降る時期になるとそう優雅な事も言っていられなくなる。マイナス20度で裸になる事を想像していただきたい。
しかしそれも一瞬の辛抱である、お湯に浸かってしまえば外の寒さは全く気にならない。雪見風呂もおつな物である。お湯が熱すぎたら湯船の脇に用意したあるスコップで雪をすくって入れればいい。
こんな具合に一年を通して野外のお風呂を楽しんでいるのだが、さすがに風雨の強い日には使えない。せめて屋根だけでも付けようかと時々何度が話し合うのだが、決まって結論は同じ、「気持ちいいんだからこのままでいいんじゃないの。」

キャプション:
上 自宅前で、手製の露天風呂を堪能中の筆者
下 釜の燃料はまき、水はわき水だ