「旅の暮らし」:北海道新聞コラム「朝の食卓」
住むところにとらわれないキャンピングカーでの”実験的”移動生活
北海道新聞朝刊の連載コラム「朝の食卓」掲載
キャンピングカーを改造した移動事務所で旅をしながら生活する、と言う新しいライフスタイルの実験をかねた小旅行について書きました。
地域や住居にとらわれず、自由に移動しながらの生活は想像以上に楽しく刺激的でした。
また、最小の空間での生活は、究極のエコライフでもありました。
「旅の暮らし」 有明 正之
しばらく旅に出ていた。と言っても海外旅行や温泉旅行ではない。小さなワンボックスのキャンピングカーに生活用具一式を積んで、北海道内を回っていたのだ。
車には、コンピューターと携帯端末利用のインターネット接続も完備し、普段通りに仕事が出来る。こうなると、旅と言うよりは移動しながらの生活、と呼ぶのがふさわしい。
同じ様にコンピュータに向かう仕事をしていても、窓からの景色が毎日違うのは新鮮な経験だ。テクノロジーの進歩は、こんな生活や仕事のスタイルを可能にしてくれる。面白い時代になったものだ。
3畳に満たない居住空間が全てだから、おのずと生活はシンプルになる。持って行けるのは、欲しい物や有ったら便利な物、ではなく、必要な物だけに限られる。
電気はソーラーパネルと走行中にバッテリーに充電された分だけ、水はポリタンクの20リットルで全てをまかなう。わずかな電力消費にも気を配り、無駄な水は一切使わない。
身の回りから不要な物をそぎ落としていくと、最後にたどり着くのはこんなライフスタイルかもしれない。不足した暮らしを楽しみ、補うためにさまざまな工夫をすることで「足るを知る」ことが出来るはずだ。
シンプルにすれば物事の本質が見えると言う。面白半分で始めたこの旅の暮らしだが、生活する事の本質を学んだ気がする。
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